新型コロナウイルス感染症の対策にかかわる要望書(第3次)

                          2020年5月14日

県民のいのちとくらしを守るご尽力に敬意を表します。

国の「令和2年度補正予算(第1回)」が成立しましたが、検査・医療体制の拡充の点でも、休業と一体にした補償という点でも、きわめて不十分なものと言わざるをえません。国は「第2次補正予算」の作業に入っているようですが、国民、県民のねがいにこたえたものにしていく必要があります。

福島県の「令和2年度5月補正予算」では、この間の私たちの要望や県民の声にこたえ、県独自の施策として、自粛要請とセットでの協力金給付、患者受け入れ病院の待機ベッドへの支援、雇用調整助成金の上乗せなどが具体化されました。また県学力テストも中止することになりました。

私たちは、具体化された内容を迅速にすすめていただくとともに、県民のいのち、くらし、営業を守るために、下記の内容を要望します。緊急の対応をおねがいします。

1.検査と医療体制について

(1)PCR検査、発熱外来について

①PCR検査件数を大幅に増やすこと。発熱外来受診の基準を難しくせず、発熱で不安がある人は受診できるようにし、そこで医師が必要と認めた場合は即PCR検査を実施すること。また、国に対して検査数を抜本的に増やす対策をとるよう求めること。

②県内のPCR検査体制強化のため、検査機器の拡充とともに、検査技師の増員を図ること。医大の中にある検査機器で活用可能なものを動員するなどして検体数を引き上げること。

③発熱外来に対する補助金は、6つの二次医療圏ごとに1つと限定せず、先行して実施しているところを含め設置したところはすべて補助対象とすること。

④保健所職員や特定感染者を受け入れている医療機関の疲弊を防止するため、応援体制を拡充すること。

⑤自粛要請の解除の前提として、検査の拡充による県内におけるコロナ感染者の全体像を把握するとともに、感染爆発を想定した医療体制を確立し、県民が安心して日常生活が送れるように条件整備を行うこと。

(2)医療体制、補償について(国への要望含めて)

①新型コロナウイルス感染症患者を受け入れたすべての医療機関を対象に、空床確保に伴う収益減をふくめた通常収益の減少分(平常時の診療実績に基づく診療報酬請求分、その他健診等による収益等)、およびPCR 検査の実施、発熱外来や帰国者・接触者外来の開設、医師・看護師等の専属スタッフの確保、危険手当等の対応、医療資材の調達等に伴う費用の増大分に対して全額補償を行うこと。

②すべての医療機関を対象に、新型コロナウイルス感染症に伴って生じた通常収益の減少分(平常時の診療実績に基づく診療報酬請求分、その他健診等による収益等)、及び感染症への対応に伴って支出した新たな費用の増加分に対して全額補償を行うこと。

③自治体からの休業要請の有無に関わらず、すべての介護事業所を対象に、新型コロナウイルス感染症に伴う収益の減少分、感染予防・感染対応等に係る費用の増大分に対して全額補償を行うこと。

④医療機関に対して、サージカルマスク、防護衣、フェースカバー等の防護用品、および人工呼吸器等感染症の検査・治療に必要な装備、および介護事業所に対して、適切な感染予防策を講じられるよう、マスク、消毒用アルコール等の衛生材料の確実かつ安定的な確保・供給を図るための財政措置を強化すること。

⑤県内の医療機関に県外からの非常勤医師等が診療に携わってきたものの、今回の県外移動制限などの影響から当県に来られないことが多数起きている。そのため常勤医師による日当直業務などの増加で地域医療を守らざるを得ない実態があることについて、国及び県がこうした医師の奮闘に対する支援をおこなうこと。

⑥職務上感染した医療従事者・介護従事者に対する災害補償制度を検討・創設し、そのための財政措置を行うこと。

2.子どもと教育について

(1)学校の休校解除にあたって

①三密防止を徹底させること。

②コロナ不安や長期休業の影響をふまえた心身のケアに努める学校の対策を支援すること。

③教室に体温計、消毒液などを配備し、必要に応じてマスクを配布できるようにすること。

④保健室付近に、登校後に発熱した児童生徒を帰宅まで待機させる場所を作ること。

⑤休校によって失われた授業分を長期休業中等に行う場合、学習補充費等として、必要な経費を配当すること。

⑥オンライン学習は、学校教育上の意味付けを明確にし、児童生徒のPC・タブレット等、送受信環境整備と同時に進めること。

⑦医療従事者とその家族、コロナり患者や発熱者に対する差別や偏見を予防する教育を促すこと。

⑧児童生徒の登下校を見守っていただいていた地域の高齢者などに、コロナ感染対策のため見守りを依頼できない事態も発生していることから、登下校に際して何らかの安全対策を講じること。

⑨クラス編成規模を早期に30人以下とするように政府などに働きかけること。

(2)児童生徒の学習を保障しつつも、過度に学力向上で追い詰めることのないように、また日課表・週・月の予定などで過密スケジュールとならないように、教育課程の再検討や目安を県教委として示すこと。また児童生徒の発達段階を考慮し、学校行事などを一律になくしたりせず、バランスをとるよう各校にうながすこと。

(3)新型コロナ対策で学童保育の重要性がいっそう明らかになったことから、学童保育の人的配置などでどの自治体でも一定水準を維持しできるように、またコロナ対策で通常と異なる特殊な緊張を強いられる学童保育指導員に特殊勤務手当(激励金)が支給できるように、県が実態を把握し市町村を費用的に支援すること。

(4)虐待の恐れのある子ども、営業自粛などに伴い急発生的な経済的困窮に陥っている家庭とその子どもについて、改めて就学援助制度や相談できる機関を紹介する手立てを講じること。

(5)コロナ対策にも有効な小さな学校を守るため、さらにコロナ対策を優先するため、当面、県立高等学校改革前期実施計画は凍結、小中学校も統廃合を進めないこと。

(6)県内の学生、県内出身者の学生に対する支援策を早急に具体化すること。

①新型コロナウイルスの影響でアルバイトの収入減など生活困窮に陥っている学生が多く、休学・退学を考える学生も出てきていることから、国として応急奨学金の給付をするよう求めること。また同様の措置を県としても県内の学生むけに行うこと。

②各大学が行う学費の免除や延納・分割払い、独自の奨学金制度について、大学任せでなく国が支援するよう求めること。

③入学金や授業料の納付が困難になっている学生に対し、納付の猶予期間を十分に設けること。

④休校やキャンパスへの立ち入り禁止期間中の学費(授業料)は、国が全額補填し、学生に返還するように政府に求めること。

⑤オンライン授業では、インターネット環境やパソコン保有の有無によって受講が左右されないよう、ノートパソコンの貸与や購入費用の補助などを行うよう政府に求めること。

⑥学生アルバイトが休業手当を受け取れることを周知するよう各大学に県として要請すること。また企業に対しては、アルバイトへの休業手当ができるよう雇用調整助成金など制度の周知、活用を呼びかけること。

⑦支援を求める学生またその家族が相談できる緊急の窓口を県に設置するとともに国にも求めること。

⑧大学等と連携を図り、県内学生や本県出身学生等の実態を調査し、食糧に困窮することのないよう、必要な学生には急ぎ生活支援をすること。また在校生に限らず、浪人生などで生活に困窮している青年も支援が受けられるようにすること。

⑨本県への帰省を希望する本県出身の現役学生については、県内の宿泊施設等で2週間の経過措置後帰省できるよう、専用の宿泊施設を確保し具体的な方策を国と協議すること。

3.経済と労働について

(1)自粛要請と補償を一体で行うよう国に求めること。また県もさらに支援すること。

(2)県の協力金対象範囲を自粛要請した業種以外にも拡大し、中小事業者の経営を守ること。

(3)県民の雇用と営業を守る観点で、従業員数人の小規模飲食店などでも雇用調整助成金の活用が図れるように、県としても支援すること。とくに雇用保険未加入でも新たに加入すれば対象とするなど、新型コロナに関する特例を最大限にいかしながら、手続きを望む事業者がもれなく手続きができるよう支援すること。また休業計画届の締め切りを現状の6月30日から当面延期するように国に求めること。

(4)雇用調整助成金の適応がどうしても難しい事業者の場合に、東日本大震災などでも活用された「みなし失業」を、算定期間のリセットなどデメリットなしに柔軟に活用できるよう国に求めること。

(5)売上減少に対し「持続化給付金」の受付が始まっているが、売上下落が50%以上でなければ申請することができない。50%~20%の売上減少した法人、個人事業主も申請を受け付けること、長期化することも想定し2回目以降の受付、支給額の上限を引き上げることを国に求めること。福島県としても支援を上乗せすること。

                                     以上