新型コロナウイルス感染症対策に関する申し入れ(第2次)

新型コロナウイルス感染症に関して、WHOがパンデミック(世界的流行)宣言をしてから1ヶ月が経過しました。日本の感染者数も3月中旬以降急激に増加しており、15日時点で国内の感染者数は9,417人、死亡者数は188人に上っています。

安倍首相は7日、感染拡大防止のため「緊急事態宣言」を発令し、同日政府は、「緊急経済対策」を決定、さまざまな支援策が打ち出されていますが、あまりにも規模が小さく、戦後最大の危機ともいわれるような感染症拡大に対応できるものとはなっていません。

福島県内では二本松郵便局クラスターによる感染者11人をはじめ、15日までに40人の感染者が確認されており、県民の不安はより大きくなっています。県内観光業では5月までのキャンセルが16万件を超えるなど存続に危機に陥っており、緊急的な支援が求められます。また感染が拡大している地域では、小中学校の休校延長や高校の時差通学の措置が取られるなど、子どもたちや保護者の間では先行きが見通せないことへの不安が広がり、学校現場も対応に追われています。

拡大する新型コロナウイルス感染症から県民のいのちと健康を守るために、オーバーシュートを想定した医療体制と検査体制の強化をはじめ、県民の不安に寄り添う県政が求められています。県民の安全・安心の確保のために、緊急対策を講じるよう以下申し入れます。

一、感染拡大防止・医療検査体制について

1.オーバーシュートを想定した医療体制を早期に確立すること。

①感染の有無を調べる安全なPCR検査体制の拡充を急ぐこと。

②検査キットによる抗体検査が可能となるよう、海外からの輸入も含めて、国に対応を求めること。

③医療機関の人材および資機材(N95マスク、サージカルマスク、レスピレータ、防護服、消毒液、フェイスシールド、ゴーグル)の緊急確保に努めること。また介護・福祉施設へも衛生材料が充分に行き渡るように早急な手立てを行うこと。

④新型コロナウイルスと最前線で対峙する医療労働者に「特殊勤務手当」の支給を補助すること。

2.症状に応じた医療を提供するために、病院の機能を分けることも必要となることから、重症患者の受け入れ体制を拡大するとともに、中等症患者を受け入れる病院を医療圏ごとに設定すること。コロナ以外の医療に専念する病院を明確にすること。また搬送体制を確立すること。

3.相馬市、南相馬市で始まっている発熱外来を各市町村に設けること。

4.必要な感染症病床の確保と、公立・公的病院をはじめ、協力するすべての医療機関や介護・福祉施設が充分な感染症対策が行えるよう、公的資金による財政支援を行うこと。

公立・公的病院等の再編・統合計画は中止し、感染症対策も含めて充実させていくよう国に求めること。

5.感染症の拡大や災害支援など、不測の事態においても充分な対応が可能となるように、医師・看護師・介護職員などの大幅増員の対策を行うこと。

6.陽性者のうち、軽症者および無症状者のための宿泊施設を早期に確保すること。また濃厚接触者は基本的に自宅待機となるが、感染拡大や急変時の対応など多くの不安と課題がある。同居家族に基礎疾患を持つ人や高齢者がいる場合の感染防止の観点から、濃厚接触者用の経過観察用の宿泊施設を急ぎ確保し、適切な管理ができるようにすること。

7.濃厚接触者および同居者の場合、無症状であってもPCR検査を実施するよう、検査の基準を緩和すること。

8.症状がでてから感染確定まで何度も病院にかかる事例が相次いでいる。疑似症患者に関して、医師が検査の必要性を認めた場合、早急に検査および治療ができるような対策を早急に取ること。

9.医療従事者が安心して働く上で必要な院内保育所の機能を充実させ、院内学童も含め公的補助を増やすこと。

10.感染症拡大により経営悪化した医療機関や介護・福祉施設の経営を支えるための財政支援を行うこと。

11.受診抑制の原因となる国民健康保険の資格証明書の発行を中止し、すべての被保険者に保険証を郵送するよう市町村を支援すること。

12.生活保護の認定に当たり、車の保有や就労意欲などの要件を保留とする国の通知を市町村に徹底すること。

13.低額年金生活者などの「恒常的低所得者」や、貧困により支払いが困難な世帯の医療費(一部負担金)減免や徴収猶予等、実効性のある取り組みができるように、国の通知等を市町村が生かせるような具体的な援助をおこなってください。

14.感染者や濃厚接触者、関係者、医療従事者へのハラスメント被害を防ぐために、急ぎ対策を講じること。

15.市場用のマスク不足も深刻化していることから、国見町や川俣町をはじめ、県内各地で企業による生産が始まっている。こうした民間企業の生産体制を県として積極的に推進すること。

16.原発廃炉に関わる作業員の感染防止対策と宿舎も含めた対策をとるよう国に求めること。また作業員が日常的に必要な防護服や防護マスク等の十分な確保を求めること。

二、子ども・教育分野について

1.学校から、登校前の検温やマスク着用を求められているが、体温計やマスクは手に入りにくい状況が続いている。小中学校、高校での児童生徒の健康観察に必要な体温計については、非接触型の体温計を確保し、各クラスに配備すること。マスクについても県として緊急に確保し、配布すること。

2.小中学生の授業について、家庭学習に対応できるオンライン授業等の施策を急ぎ整備すること。

3.児童生徒の欠席・出席停止の扱いについて明確な基準を示すこと。学校で感染者が出た場合や濃厚接触者と認定された場合については、県教委からマニュアルが示されたが、発熱や咳などの症状が確認され登校を控えたり、感染への不安から登校を控える場合は、児童生徒が不利益を被らないよう明確に出席停止扱いとするよう学校現場に徹底すること。

4.ある県立高校では、「登校に不安がある場合は自宅学習にしてください」としながら授業は進んでいく。生徒の不安に寄り添い、学習に差がでないように対策を講じること。

5.高校生の時差通学について、実態に即し密集を避けて通学できるようにすること。

6.高校生は県内各地から電車やバスなど交通機関を利用して通学している生徒が少なくない。通学時に不特定多数の人と接することや、40人を超える人数での授業環境、部活動が制限されていないなど、高校生を取り巻く環境への配慮が乏しい。自らの感染への不安に加えて、実際感染者となった場合の周りへの影響などへの不安から、民青同盟福島県委員会が取り組んでいるアンケートには「休校にしてほしい」など不安の声が寄せられている。こうした声に県教育委員会は耳を傾け、少なくとも感染が拡大している地域の高校については休校措置を検討すること。

7.休校措置をとっている自治体の学童保育に対して、朝から開所している施設への補助金を支給するよう国に対して要望すること。

8.4月7日に文部科学相が、緊急事態宣言の対象となった自治体で学校が休校となった場合でも、「散歩など外に出るのは、心のケアやストレス解消の観点から一定程度認めるべき」「外出先としては学校の校庭の活用も考えられるとし、その方が感染リスクが低い」との見方を示した。今後、県内でも休校になった場合に備え、学校の校庭を活用できるようにすること。

9.「ふくしま学力調査」について、5月下旬以降に延期する方向で調整していることが報道されたが、一律休校措置後も休校措置がとられている地域があり、さらに授業の遅れが心配されることから、今年度の「ふくしま学力調査」の実施を見送ること。また、国に対して「全国学力学習状況調査」の中止を早急に要望すること。

10.収入激変の中、国の子育て支援については、児童手当1人1万円を上乗せするだけである。さらに、もっともお金のかかる高校生や大学生などの子どもがいる世帯は給付金の対象になっていない。高校や大学の入学金や授業料など学納金の免除については、国の制度の収入要件を大幅に緩和するよう国に求めること。また学納金に関する相談窓口を設置し、県独自の支援制度も創設すること。

11.経済状況の悪化や「外出自粛」、学校休校の長期化により、家庭内暴力(DV)や児童虐待の増加が懸念される。DVや虐待の相談窓口の体制を強化し、被害者の急増に備え、子どもと女性が安心して避難できる場所を緊急に確保すること。

三、経済・労働者対策について

1.自粛と休業補償をセットにするよう、国に求めること。福島県独自にも実施すること。市町村が実施する場合には県も支援すること。

2.1人あたり一律10万円の現金給付をするよう国に求めること。

3.雇用調整助成金で給与の8割を補償するとともに、国が100%負担するよう求めること。

4.県内でも倒産や首切りにより職を失う県民がでていることから、県として実態調査をすること。

5.県内観光業では2月から5月にかけて16万件のキャンセルでていると報道されている。貸付や融資ではなく、スピード感をもって給付による財政措置を講じること。

6.国保の傷病手当金については、被用者だけでなく、事業主や家族専従者、フリーランスも支給対象とするよう国に求めること。

7.小規模・中小業者への納税の猶予、固定的経費の負担を軽減するための緊急対策を国に求めるとともに、県として実施すること。

8.小規模・中小業者への融資制度の基準を緩和し、資金繰り支援を強化すること。

9.融資も給付も、申請手続きを簡素化するよう国に求めること。また、社会保険労務士など専門家による支援体制を早期に確立し、個人および事業者を支援すること。

10.国の給付措置の対象外となる個人や事業者に対し、県として独自の支援策を講じること。

11.低所得者対策として、見舞金の給付を県として行うこと。

12.国に対し、ただちに消費税を引き下げるよう強く求めること。インボイス制度の実施中止も求めること。

四、相談窓口体制や情報発信について

1.県民から相談窓口の電話がつながらないとの声が寄せられている。県の回線を増やすとともに、各市町村の状況を把握し、体制強化のための支援をすること。

2.県対策本部のアドバイザーについては、現在の1人体制では不十分であることから、多角的に専門的な判断ができるよう、アドバイザーを増やすこと。

3.感染者に関する情報開示の在り方については、安全・安心の観点、プライバシーの観点など総合的な判断ができる専門家の意見を踏まえたものとすること。

4.「帰国者・接触者外来」については、市中感染が広がった今、名称については改めること。

5.差別や分断につながる言動は許さないとの強いメッセージを県として発信すること。

以上